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2005414

千葉市長       鶴岡 啓一 殿

(写し:千葉市議会議長 森 茂樹 殿)

                      千葉市板倉大椎土地改良区

                             理事長  小高 守正

                      小山町板倉町・大椎町反対派住民

                             代表   加藤 惣衛

                      産廃処分場に反対するあすみが丘・市民の会

                             代表   星野 静枝                

抗 議 書

〜個人情報漏洩(産廃処分場計画反対者リストを産廃業者に提供)行為と

  環境保全や市民の安全・安心を軽視する千葉市産廃行政に強く抗議する〜

 

 緑区小山町の水源地に有限会社光洲産業(川崎市高津区)が昨年11月千葉市長あて設置許可申請を提出し、現在審査中の産業廃棄物最終処分場(安定型)計画について、私たちは将来にわたる健全な農業経営、公害の未然防止(地下水、大気など)と環境保全(動植物、水源涵養など)の観点から計画の中止を求め、意見書、請願書を7千筆を超える署名とともに提出してまいりました。

 今回、関係文書の検討、市関係部署のヒアリングなどの中で、首題のような見過ごせない事実が判明し、そのことについて強く抗議するとともに、コンプライアンス(法令順守と総合的健全化プログラム)と市民に顔を向けた千葉市行政の確立のため、その体質と諸制度の改革・改善を強く求めるものです。

千葉市行政として本件に対する始末、対応を早急に検討され、私たちの抗議及び要望に対し、文書にてご回答くださいますようお願い申し上げます。

 

1.「産廃処分場反対者リストを産廃業者に提供」したことは

個人情報保護法に反するものであり、謝罪と法に基づく厳正な処置を求める

 

(1) 私たちは、(有)光洲産業より光田栄吉代表名の45日付けの書類を受け取り、その書類に「つきましては、過日41日付けで当社におけます最終処分場設置計画に反対する方々の名簿がFAXにて送られてまいりました。市の産廃指導課の係長より、農業委員会の方からというものでした」と記されていました。

 私たちが入手した市から業者に送られたリストには、

産業廃棄物指導課 様

お世話様です。産業廃棄物反対者の各地区代表依頼者の住所・氏名・電話番号です。よろしくお願い致します。

  (6名の方の所属団体名・肩書き・住所・氏名・電話番号が記載

  (なお、電話番号は5名分))

                       千葉市農業委員 ○○○○委員より

と記載されていました。

 驚いた私たちは48日午後、市産廃指導課、市農業委員会事務局を訪ね、関係者に事実関係を問いただしたところ、少なくとも以下のことが判明しました。

 

 @ 上記リストは市農業委員会事務局係長が作成し、今年4月1日産廃指導課に渡した。

 A 産廃指導課係長がそれを同日、業者にFAXした。

 B リストに記載の関係者の了承はとってはいない。

 

 なお、リストに記載の農業委員に後日確認したところ、市農業委員会事務局係長から求められ情報提供した、まさか業者に流されるとは思っても見なかった、と語っていました。

 

(2) 今年4月1日、個人情報保護法が施行されました。その基本理念を「個人情報は、個人の人格尊重の理念の下に慎重に取り扱われるべきものであることにかんがみ、その適正な取扱が図られなければならない。」(第3条)としています。

本件の場合、明らかに保護されるべき個人情報であり、法の基本理念、個人情報取扱に係る諸規定に反するものであり、私たちは千葉市に対し以下のことを問います。

 @ プライバシーそのものの侵害であり、この責任をどうとるのか?

 A 市が業者に知らせたことについて、

  ・業者に情報提供して反対者対策をたて易くさせた。

  ・ひいては、市は結局、業者に予定事業の実現推進に加担したことになる。

  ・このことは公益性、中立性を欠くことである。回復しがたい状況が生じたとき、どう責任を

   負うのか?

  と考える。

これらについて市の見解を求めます。

 

(3) 市がこうした行為にはしる背景には、コンプライアンスに対する市職員の認識の薄さと次項に記すような市民の側にではなく業者に顔を向けた産廃行政という組織体質があります。これらに対する深い反省と抜本的な改革を強く求めるものです。

 

2.業者の方に顔を向けた千葉市産廃行政に抗議するとともに、

環境保全と市民の安心・安全を最優先する行政改革を求める

 

(1) 今回の事前協議の段階で、業者の方に顔を向けた千葉市産廃行政の以下のような実態が明らかになりました。

 @ 業者から虚偽の「環境保全協定」や事実と大きく異なる「環境調査報告書」が提出されても市民が指摘するまで行政として気づかない。職務怠慢であり業者の指導要綱逸脱を結果として容認している。

A 地域の特性を無視した結果、「水利権者や耕作者の承諾」を得ることを業者への指示事項としていない。

 B 里山保全を市の環境保全行政の柱の一つに据えながらも、今回の計画が谷津の水循環を無視した立地であり、市内全域の生態系調査報告書「千葉市野生動植物の生息状況及び生態系調査報告」でも記されている貴重な動植物の宝庫への立地であるにも関わらず、それらに対する行政としての「事前配慮」の姿勢がまったく見られない。

C 一旦設置許可申請書を市が受理すると、法による手続きに入ったとして、行政の怠慢故に生じた前項@〜Bの不始末を是正することに消極的である。

 

(2) こうしたことを改め、環境保全と市民の安心・安全を最優先する行政改革の実行に向けて以下の施策を求めます。

@ 廃棄物処分場の立地については、住民の生活環境(憲法13条、民法709条・710条など)を最優先すること。

A 今回の計画は地下水や土壌汚染、それらによる健康被害、農作物被害を生じる具体的な危険性があり、実施された環境調査内容では安全性について具体的な証明がなされていない。従って本計画を認めないこと。

B 今回のトラブルを2度と繰り返さないため、制度面等で以下の施策を行うこと。

 ・指導要綱で関係住民の範囲を2kmなどとして広げ、水利権者・耕作者の承認を要件とするとともに、関係する情報をタイムリーに市民に公開する規定を設けること。

 ・県の姿勢にあわせて、業者から相談の段階で、安定型処分場は設置しないよう求めること。

 ・谷津田保全及び水循環を考慮して、千葉市水源保護条例を制定すること。

 ・産廃最終処分場で環境影響評価を実施する規模を3000u以上とすること。

C 水源地など地域の特性に応じて産廃最終分場の立地を防止するため、8都県市として国に法改正を働きかける上で、千葉市はその先頭に立って取り組むこと

以上

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