森を守り育てる会定例作業(第5回)

1、   日時:平成201018() 曇のち晴れ、気温20℃、 無風 
     AM 10:0015:00


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2、参加者17

3、講師:県中央博物館環境科学研究科長  正利先生
          環境学習アドバイザー  鈴木 優子先生

4、作業概要
県補助金にて購入した機材を使用し、原先生による跡地の植生調査、鈴木先
生指導による堆肥場作り、植樹木支柱立て、草刈を実施しました。原先生からは、今後の森の復元に役立つ貴重なコメントを頂き、鈴木先生からは堆肥の作り方等の貴重なコメントを頂きました。また、鈴木先生自ら率先して堆肥場つくり作業をして頂いたことに深く感謝します。

 

5、作業内容
午前10時:講師紹介、東部農林からの堆肥、進入路工事の寄付、県補助金による機材の購入、本日の作業内容等の説明
午前1020分:3グループに分かれて作業開始。
                1班:植生調査        2班:堆肥場作り               3班:草刈、植樹木の支柱立て
午後11時40分:休憩、 記念撮影、

植樹した木の成長観察:木を掘り出して、根の成長を記録。

午前1210分:講師からの講評、今後の作業スケジュール連絡、午前の部作業終了、解散
午後1230分:休憩、昼食、懇談
午後130分:午後の部作業開始
午後3時:午後の部作業終了、記念撮影、解散。

6、植生調査報告

 原先生に経緯、植樹の概要、記録、参加メンバーを説明しながら、現場を案内し、下記のコメントを頂く。

作業時間:10:2015:00

樹種について
*マキやイチョウはあまり場所にそぐわない。
*自然植生はハギ、ヤマグワ、ヌルデ、ネムノキ、アカメガシ、イヌサンショウが目立つ。
*植樹した木は3年みないとついたかどうか分からない。
*コナラ・クヌギが土を肥やす点、手入れ活動での利用などに向いている。
*斜面は松の生長と寿命等からコナラクヌギの方が小木のバランスが取りやすい。
*アオギリは県博物館の生態園やこの周辺にもあり植樹は可。
 日陰になるなどを考慮して森のフチに植えるほうがよい。
 種がおもしろいかたちをしているので観察するとおもしろい。
*スダジイは大木になるが群生林は例外で再生林の樹種としてこだわる必要はない。
*手入れの参加者の楽しみのために果樹等を植えるのは可。
*苗木は周辺の植生であるものと他の地域からのものが混ざることがあり、出来れば周辺の森から種を拾って苗木を育てることが望ましい。

植生の推移
*自然植生はクズが多くなるがクズを刈り取っている限りクズしか生えない。
 日陰になればクズは劣勢になる。
*エニシダは何もないよりはいいが取ってしまってもよい。
*ススキが増加しているので土壌肥沃化のために株分けしてでも草のないところに増やすことも可。
*草を刈るときに自然植生の萌芽したものを刈り取ってしまうため植生が増えないことがあり、草刈は慎重に行うようにする。
Aエリアは特にクズの処理をしながら自然植生を増やす。
*自然植生の遷移を使えば堆肥は大量に要らないと考える。
*水源涵養林を加速させるという目的と自然の力を活用することを考える。
ゾーニング
Aエリアは自然植生を観察・芽を注意しながら草刈すること。
Bエリアはマキやイチョウが不似合いなら数を調整していく。
CエリアはコナラクヌギOK
Dエリアは果樹等 
*南斜面の崩壊が510年単位で大きくなりそのために下の土壌が動き続けることが最大の問題。これを食い止め、草や木の根を張らせて行くことが重要。
 松は早く大きくなって日陰を作り他の木々が育ちにくいため、順序としてクヌギ・コナラを植えておいてもよい。
*東側斜面はクズとエニシダを対策するためにコナラ・クヌギの4,5年ものを植るのが理想的。あまり小さいとクズに負ける。クズは最強。
*赤道より東側は堆肥、畑、利用活用ゾーンとすることは可。
*水が流れてえぐった跡は土の移動を出来るだけ少なくなるようにし、草が生えるようにする。
*水の溜まるところは池も可だが、湧水等の供給がないため、水が腐ったりすることがある。

 

7、堆肥場作り報告

鈴木先生の指導のもと堆肥場( 6m×縦3m×高さ1.5m)作りを実施。
重機による事前掘削及び寄付された間伐材の製材板により、素人とは思えない出来栄えの堆肥場が完成。鈴木先生より堆肥の作り方等のコメントを頂く。作業時間:10:2015:00

*材料は、落葉、黒土・ぬか(堆肥)を使い、落葉30cmの上に堆肥30cmをかける。

落葉+堆肥を3段に積み、シートをかける。

*黒土がないので、東部農林寄贈の堆肥でも良い。

*堆肥は、植樹木の四隅に穴(40cm以上)を掘り、そこに入れる。

*植樹の時に入れた5Lの堆肥植樹木への効力は、3年目で無くなる。

 

8、植樹木支柱立て・草刈作業

  前回定例作業時に実施した講習会のかいがあり効率的な草刈を実施。  又シノダケによる簡易な植樹木の支柱を市販されている丈夫な支柱に更新。
作業時間:10:2011:40
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