ESDニュース001号

ESDネットワーク土気・協議会

産廃処分場用地を建設反対派が獲得!

 板倉・大椎土地改良区とESD活動メンバーの連帯の成果

      

皆様に嬉しいニュースをお届けします。

私達地域の住民が建設絶対反対を訴え続けてまいりました「小山町産廃処分場計画用地」国税局の差押物件として競売にかけられ、これに地元の「板倉・大椎土地改良区」が入札し、競争相手の産廃業者「光洲産業」に競り勝ち獲得することが出来ました。

これにより業者の建設計画は白紙に戻される公算が大きくなり、事実上、私達住民の願いが果たされることになりました。(下記に、その詳細な経緯と成果をお伝えします)

 


今回の成果は、地元の人達とあすみが丘の支援グループである私達「ESDネットワーク土気・協議会」の緊密な連携と集中的活動により生まれました。私達が、この競売情報を知らされたのは8月25日であり、競売指定日の9月5日まで11日しかない極めて厳しい状況でした。しかし、この競売入札には必ず「業者の光洲産業」が参加し、用地の確保を図ってくることが予想され、一旦、この土地を業者が落札すると、産廃計画を阻止することは非常に難しくなるので、何としても建設反対の立場の人達が取得しなければならないと判断、可能な限りの方策を講じることにいたしました。

まず、最初に現地小山町の中で、購買力のある方に打診いたしましたが、個人で入札すると後々、難しい問題が残るのでお受けできないと断られ、急遽、地元の農業振興団体「板倉・大椎土地改良区」に相談することにいたしました。当土地改良区には小山町の農家も加盟しており、今回の産廃処分場により最も大きな打撃を受ける地元農家の人達がすべて組合員になっています。早速、土地改良区では8月29日に緊急理事会を招集しESDメンバーも加わって、対策を協議いたしました。

私達は事前に国税局を訪問し、この物件に関する賃貸借契約の詳細を把握いたしました。また、弁護士に土地改良区が土地取得の入札に参加することの法的条件について、確認、指導を受けました。把握した情報を元に、理事会で検討を重ねた結果、臨時総会を招集して入札に参加することを審議することとしました。

9月2日に土地改良区の臨時総会が開かれ、この席にも私達ESDメンバーが加わりました。総会では活発な意見が交わされましたが、「絶対に産廃は阻止しなくてはならない、子々孫々に伝えられる土地を守ることが我々の使命、購入による損得や土地の利用方法は、とにかく目前に迫った入札に参加することに全力を挙げるべきだ」などの意見がでて、全会一致で土地改良区の入札参加が承認可決されました。

9月5日競売入札当日は「板倉・大椎土地改良区」の理事長と幹部2名さらにESDメンバー1名が加わり4名で東京国税局に行き、10時からの入札に臨みました。14:50から入札結果の発表があり私達の入札が最高価申込となり落札いたしました。落札発表の瞬間、4人は異口同音にウワーと歓声を上げ、手を取り合って喜び合いました。理事長が思わず涙ぐみ、目頭をハンカチで押える姿は胸に迫るシーンでした。予想通り「光洲産業」も入札しており、2番価格で私達の入札額より僅か65万円の差でした。

16:30に千葉市記者クラブで私達は記者会見を行い、新聞社8社とNHKの記者、市議2名が出席しました。ESDメンバーが必ず出席するよう連携を密にして記者会見に臨み、予め幾つかの入札結果を想定していずれの場合でも、我々の主張を世論に訴える準備をした文書を用意し、タイムリーな発表を行った結果、共同通信社から広く記事が配信され、話題性の有るニュースとして取上げられました。

9月12日には国税局より正式に売却決定通知書の交付を受け取得手続きが完了いたしました。今後、この土地をどう復元し、活用するかが地元の人達と私達の共通の課題です。あすみが丘の皆様のご支援を期待いたします。

振り返って、今回の入札は、極めて短い時間に決断して、必要な手続きも済ませなければならず、殆ど不可能と思われた状況を突破して離れ業が実現いたしました。地元の代表、ESDメンバー一人一人が、しっかりと一本の綱にまとまって行動した結果、奇跡的な成果が生まれたと感じます。また入札相手の業者(光洲産業)と入札総額の2%ほどの65万円の差で競り勝ったことなど正に天佑といえる幸運も味方しました。しかし、何といっても緊急総会を開きこの土地の買い上げを決断した「板倉・大椎土地改良区」の皆さんの英断と勇気を讃えなければなりません。そして、地元の人達の相談に乗り、具体的な対策や手続きを手伝って、励まして来た私達「ESDネットワーク土気」の支援メンバーの存在が大きな力になったと確信いたします。

 私達は、今まで自治会連合組織「あすみが丘地域町内自治会連絡会」のまちづくりプロジェクトの一員として、この「小山町産廃処分場建設反対運動」に取組み、期待された成果も上げてまいりましたが、広域の住民の調和を重んじる連絡会の立場では、臨機応変に問題に取り組み速効性を求められるプロジェクトの活動に十分な支援が出来ないとの結論が出され、プロジェクトの解散が決定する直前の状況下に今回の競売問題が発生しました。私達は制約されたプロジェクトの立場では、効果的な住民運動は出来ないと考え、自治会組織に縛られない新しい枠組みの組織「ESDネットワーク土気・協議会」を立上げ、これから活動を始める時期でした。

 今回の産廃用地入札参加は、まさに私達の
最初の活動になり、このような素晴らしい成果を上げ、ESD理念を実践し得たことに大きな喜びを感じております。小山・板倉・大椎の町内会代表の方々からもESD活動に共鳴され本会に参画いただきました。さらに、各地の谷津田保全のグループの方々とのネットワークも形成されつつあります。ボランティア活動は無償の奉仕をする人も、それを受ける人も無垢の精神で理解しあい、誠意と感謝の心が一つになって育まれるものと思っています。

私達の活動方針については「 趣意書 」で詳しくご紹介しております。どうか、志を共に出来る方々が一人でも多くご参加いただけることを願っております。

                                             

競売に勝利TOPメニューへ