戻ってきた生物多様性
まだ苗ばかりの森とはいえ、森っぽくなってきたことで生物の多様性はずいぶん戻ってきました。
雑草であれ何であれ草が生えてくればそれを食べる虫たちが集まってくる。その虫を食べる虫もいれば、さらにネズミや蛇や鳥もやってくる。
落ち葉を集めて作った堆肥にはカブトムシが卵を産み付けました。堆肥を返すとたくさんの幼虫がいました。堆肥は腐食していく過程で熱を出していてカブトムシの卵が孵るには最高の条件なんでしょうな。しかも餌の塊の中だもんね。
ここで巣を作っているかどうかまでわかりませんが、野ウサギの親子づれを見つけて子供たちが興奮したことがありました。静かにして写真を撮りたかったのですが動物は難しいですね。動くし保護色ですから撮ってもなかなかいい絵が撮れません。糞の写真で証拠とします。
2014年7月には雉の卵を見つけました。これも殻なので無事にヒナが孵って飛び立っていったのか蛇などの犠牲になってしまったのかはわかりません。そばにあった雉の羽毛が母雉の苦労をしのばせます。卵の脇の羽には雉のあの縞模様があります。
2015年の自然観察会では新しいことを教えてもらいました。知らなかったから、今までだって見過ごしていたかもしれません。この海老天のようなものは、松ぼっくりをリスが食べた跡だそうです。言われてみれば、あの種の部分を食べるには鱗片を齧って取り外すのでしょう。人間が林檎を食べて芯を残すようなものです。残った芯とのヘタの部分がエビフライの形になって残るのでしょう。そのうちリスが見られるかもしれません。
ウスタビガの繭は周りがこんな冬の枯れ木色をした世界の中でまったく鮮やかな緑色をしています。保護色なんてことは全く無視された色合いなのが不思議です。
ウスタビガの繭
初めての桜の花 2017/04/22 もしかしたら今までだって咲いていたかもしれません。
でも、人と花もタイミングが合わないと愛でる人もなしです。
そういえば2015年の今ではセイタカアワダチソウの黄色がやたらと目立つようになりましたが、この土地が掘り返され買い取ったばかりの2008年頃は同じ黄色ですがエニシダという外来種がとても目立っていました。退治するなんて言ってましたが苗が植わり、クズや多くの雑草との競争でエニシダはほとんどなくなってしまいました。苗たちにはセイタカアワダチソウにもクズにも負けず何とか育ってほしいものです。
2008年エニシダの黄色が目立つ
2015年セイタカアワダチソウの黄色
2023年夏 この森の中で樹液を吸うクワガタを捕まえました。だんだん森らしくなってきました。